近年のリハビリテーションクリニックでは、MLS(Multiwave Locked System)レーザー治療のような先進的テクノロジーが注目を集めています。これは徒手療法や運動療法に取って代わるものではなく、理学療法を補完するツールとして活用されています。
MLSレーザー治療と理学療法を組み合わせることで、疼痛の軽減・炎症の抑制・組織修復の促進が期待でき、それぞれを単独で行うよりも高い治療効果を得られるケースがあります。

MLSレーザー治療とは?
MLSレーザー治療は、FDA(米国食品医薬品局)に認可された光生体調節(フォトバイオモジュレーション)治療です。
2種類の異なる波長を同期させたレーザー光を、深部組織まで安全に照射します。
従来の治療用レーザーと異なり、MLSレーザーは以下の作用を目的として設計されています。
- 炎症や腫れの軽減
- 神経レベルでの疼痛シグナルの抑制
- 細胞修復およびエネルギー(ATP)産生の促進
- 血流および代謝活動の向上
これらの作用により、身体はより効率的かつ快適に回復していきます。治療中に痛みや刺激を感じることはほとんどなく、多くの患者さんは”何も感じない”と表現されます。
▶︎ 参考ページ
通常、治療は1回数分の短時間セッションを8〜12回行います。
多くの患者さんが3〜4回目頃から症状の変化を実感されます。
なぜMLSレーザーと理学療法の組み合わせ?
理学療法は、動作・筋力・バランス・姿勢・機能回復に焦点を当てた治療です。長期的な回復には不可欠ですが、炎症や痛みが強い状態では、運動や動作練習に十分に取り組めないことがあります。そこで、MLSレーザー治療が大きな役割を果たします。
🔹 ① 早期の疼痛軽減
MLSレーザーはエンドルフィンの分泌を促し、疼痛シグナルを抑制することで、理学療法のエクササイズにより積極的に取り組める状態を作ります。
🔹 ② 炎症の抑制
レーザーエネルギーは血管拡張やリンパ循環を促進し、腫れや炎症を早期に軽減するため、動作やストレッチが楽になります。
🔹 ③ 組織修復の促進
ATP産生と細胞活性を高めることで、筋・靭帯・腱などの修復が促され、リハビリの進行がスムーズになります。
症例報告:MLSレーザー治療+理学療法
症例① 外反母趾に伴う前足部痛
患者背景
中年の患者が、外反母趾に伴う母趾MP関節周囲の痛みを訴えて来院。長時間歩行や蹴り出し動作で症状が増悪し、インソールや靴の調整では十分な改善が得られていませんでした。
介入内容
- 第1中足趾節関節および周囲軟部組織へのMLSレーザー照射
- 第1レイの可動性改善を目的とした徒手療法
- 足部内在筋の活性化・足趾アライメントエクササイズ
- 歩行および負荷管理の指導
MLSレーザーはセッションの最後に10分間使用し、疼痛と局所炎症の軽減を図りました。
結果
- 母趾周囲の圧痛と痛みが大きく減少
- 歩行耐久性が向上
- 日常生活および運動時の不快感が軽減
症状が改善したことで機能が向上し、現在は3時間以上の歩行が可能となりました。
A post shared by FuncPhysio Physical Therapy (@newyork_funcphysio)
症例② 坐骨神経痛(腰部・神経過敏性)
患者背景
座位や前屈動作で増悪する下肢への放散痛を主訴に来院。神経学的なレッドフラッグはなく、神経伸張テストで症状が再現されました。
介入内容
- 大腿部の坐骨神経走行に沿ったMLSレーザー照射
- 腰椎・骨盤の可動性改善を目的とした徒手療法
- 神経モビライゼーション
- 体幹安定化および姿勢再教育
MLSレーザーは運動療法後に使用し、神経の過敏性と炎症反応の軽減を目的としました。
結果
- 下肢痛の強さが軽減
- 座位耐久時間が延長
- 神経伸張症状の改善
- 運動療法へより快適に移行可能となった
疼痛管理と同時に、根本的な動作・姿勢の問題へアプローチすることができました。
A post shared by FuncPhysio Physical Therapy (@newyork_funcphysio)
まとめ
- 慢性的な筋骨格系の痛み(腰・首・肩など)
- スポーツ障害からの回復
- 手術後のリハビリテーション
- 腱障害や瘢痕組織による痛み
以下のような症状でお悩みの方には、
MLSレーザー治療+理学療法の組み合わせが有効な選択肢となる可能性があります。
- 痛みが減ることで運動療法に積極的に取り組める
- 回復が早まり、日常生活やスポーツへの復帰がスムーズ
- 炎症が抑えられ、日常生活の不快感が軽減
このアプローチは、症状の緩和と根本原因の改善を同時に目指す、薬や手術に頼らないバランスの取れた治療戦略です。