Integrating Japanese Eastern medicine with Western medicine.

患者さんの背景

今回ご紹介するのは、両側の股関節の痛みや不安定感があり、運動や日常生活に支障を感じていた30歳の患者さんの症例です。

カイロプラクターを訪れてから数か月の間に症状が徐々に悪化し、身体の体幹や手足に大きな震えを感じるようになりました。

以前は高強度の運動も問題なく行えていましたが、現在ではバードドッグ(四つ這い)のような比較的軽いエクササイズでも、身体が大きく震えることがありました。

また、バスケットボールなどの運動後には、両側の股関節や肩にも痛みを感じていました。

評価

今回の治療では、痛みのある股関節や肩だけに注目するのではなく、身体全体がどのように動きをコントロールしているのかを評価しました。

特に目立ったのが、呼吸をしている際の横隔膜と腹部のコントロールの低下です。

横隔膜呼吸を行う際に、体幹を安定させながら呼吸をコントロールすることが難しい状態でした。

さらに、首(頸椎)の安定性にも問題が見られました。

首が動作中に十分な安定性を提供できておらず、それが体幹や腹部の筋肉を適切に協調させることにも影響していると考えられました。

この点が、今回の治療における重要なポイントとなりました。

なぜ首の安定性が重要なのか?

首と体幹は、身体全体の姿勢や動作をコントロールするシステムの一部として、お互いに連携して働いています。

首のコントロールが十分でない場合、身体の適切なアライメントを維持したり、動作中に体幹の筋肉を協調して働かせたりすることが難しくなる場合があります。

そのため、患者さんによっては、首の安定性を改善することが、腹部や身体全体をより効率的にコントロールするための土台になることがあります。

今回の患者さんに対しても、股関節や肩だけにアプローチするのではなく、呼吸・首の安定性・体幹のコントロールを改善することを目的として治療を行いました。

実際に行った治療

今回のセッションでは、以下のような治療・エクササイズを行いました。

  • 横隔膜呼吸
    呼吸のメカニクスと腹部のコントロールを改善
  • 頸椎安定化エクササイズ
    複数の姿勢で首を安定させながら、動作中のコントロールを改善
  • TheraBandを使用したトレーニング
    赤色のTheraBandを首の中〜下部に使用し、頸椎周囲の安定性をトレーニング
  • 腹部のアイソメトリックトレーニング
    体幹を安定させるための腹部コントロールを改善
  • 動作の再トレーニング
    治療で得られた変化を実際の機能的な動作に取り入れる練習

目的は、単に個々の筋肉を強くすることではありません。

身体の筋肉がどのように協調して働くのかを改善し、より安定した動作を作ることを目指しました。

Before & After:動作時の震えと不安定感が減少

首の安定化と体幹コントロールのトレーニングを行った後、患者さんの動作時の安定性に明らかな改善が見られました。

特に、それまで見られていた動作中の震えや不安定感が減少し、よりコントロールされた状態で動作を行えるようになりました。

この症例は、痛みのある場所だけに注目するのではなく、症状の背景にある身体の動きやコントロールにアプローチすることの重要性を示す一例です。

股関節の痛みや不安定感がある場合でも、首、呼吸、骨盤、体幹、手足がどのように連携しているのかを評価することが重要です。

痛みのある場所だけではなく、身体全体の動作パターンにアプローチすることで、より効率的で安定した動きを身につけることにつながります。

FuncPhysioの治療アプローチ

ニューヨークのFuncPhysio Physical Therapyでは、身体全体の動きを評価し、患者さん一人ひとりの動作の問題や身体の使い方に合わせた治療を行っています。

患者さんの状態に応じて、

  • Functional Manual Therapy(FMT)
  • Postural Restorationの考え方
  • 呼吸エクササイズ
  • 徒手療法
  • 運動療法

などを組み合わせています。

慢性的な痛み、身体の不安定感、スポーツによるケガや動作の問題などに対して、単にどこが痛いのかだけを見るのではなく、なぜ身体が効率よく動けなくなっているのかを考えながら治療を行います。

※症例について

本記事は、実際の患者さんの治療経験をもとにした症例紹介です。治療効果には個人差があり、すべての患者さんに同じ結果が得られることを保証するものではありません。治療内容は、それぞれの患者さんの評価結果や身体の状態に応じて個別に決定されます。