
膝だけを治療するのではなく、股関節とランニング動作から考える
ランニングをしていると、膝の外側に痛みが出ることがあります。
「しばらく走るのを休めば治るだろう」と思って休んでも、再び走り始めると痛みが戻ってしまう。
このようなケースでは、痛みのある膝だけではなく、股関節や下肢全体がどのように動いているかを確認することが重要です。
今回は、ランニング量を増やした後に左膝の外側に痛みが出たランナーの症例をご紹介します。
症状とランニング歴
患者さんは普段、月約150km(93マイル)程度のランニングを行っていました。
冬の間は月約120kmまで走行距離が減っていましたが、春になってトレーニング量を増やし、3~4月には月約200kmまで増加しました。
その後、5月上旬から左脚に違和感が出始めました。
主な症状は、
- 左膝の外側の痛み・違和感
- 膝のお皿の外側・上部周辺の違和感
- 左大腿二頭筋(ハムストリング外側)のつるような感覚
- ランニングを休んでも残る膝の違和感
- 膝を90度程度曲げた際に、左膝外側に右側とは異なる膨らみ
- 左太ももの外側に強い硬さ・こわばり
などでした。
ITバンド用のストラップやコンプレッションスリーブを使用すると、一時的に膝の症状は軽減しました。
しかし、その一方で、今度は左ハムストリングに違和感が移ることもありました。
なぜ走るのを休んでも膝が痛かったのか?
今回の評価で注目したのは、左脚の外側の硬さと、前額面(左右方向)の動きの悪さでした。
膝に痛みがあるからといって、必ずしも問題が膝だけにあるとは限りません。
ランニングでは、股関節・骨盤・膝・足首などが連動して動き、身体にかかる力を吸収したり、次の動作へ伝えたりします。
そのため、ある部分の動きが制限されると、別の部分がその動きを補うことがあります。
今回の症例では、膝だけを見るのではなく、股関節を含めた下肢全体の動きを評価しました。
Functional Manual Therapy(FMT)による治療
治療では、**Functional Manual Therapy(FMT)**を用いて、股関節と下肢の動きを改善していきました。
主に行ったのは、
- 股関節の内転・外転
- 股関節の内旋・外旋
- 下肢の機能的な動き
- 歩行に必要な股関節の可動性
などに対するアプローチです。
単純に「筋肉を柔らかくする」「膝周りをほぐす」ということが目的ではありません。
実際の歩行やランニングの中で、必要な動きを使える身体にしていくことを目的としました。
ランニングフォームも改善
可動性へのアプローチと同時に、ランニングフォームについても指導を行いました。
今回のポイントの一つは、ランニング中に股関節をどのように使うかということです。
「フォームを変えましょう」と言うだけではなく、股関節がどのように動いているのか、そしてその動きをランニングの中でどのように使うのかを患者さん自身に理解してもらうことを重視しました。
FuncPhysioでは、単に痛みのある場所だけを治療するのではなく、
「身体がどのように動いているのか」
を評価し、治療と運動・動作をつなげることを大切にしています。

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マラソンに向けて
今回の患者さんには、10月にハーフマラソン、11月にフルマラソンという目標がありました。
ランナーにとって、痛みが出たからといって「完全に走るのをやめる」ことだけが解決策とは限りません。
重要なのは、
なぜ痛みが出ているのか?
どのような動きを改善する必要があるのか?
そして、どのように安全にランニングへ復帰するのか?
を考えることです。
患者さんの状態によって、徒手療法、筋力トレーニング、ランニングフォーム指導、運動量の調整、段階的なランニング復帰などを組み合わせていきます。
「膝が痛い=膝だけが問題」とは限りません
膝の外側が痛いと、「ITバンドが硬いのかな?」と考えたり、痛い場所だけをストレッチしたりする方も多いと思います。
しかし、ランニングは全身運動です。
足部、足首、膝、股関節、骨盤、体幹などが協調して動くことで、ランニング中の衝撃を吸収し、身体を前へ進めています。
そのため、膝の痛みを繰り返している場合には、痛みのある場所だけではなく、身体全体の動きを評価することが大切です。
ランニング中の膝の痛みでお悩みではありませんか?
走る距離を増やすたびに膝の痛みが再発する。
休むと少し良くなるけれど、走り始めるとまた痛くなる。
そんな場合は、単に走るのを休むだけではなく、なぜ痛みが繰り返しているのかを身体の動きから確認することが重要かもしれません。
FuncPhysio Physical Therapyでは、患者さん一人ひとりの身体の動きとランニングフォームを評価し、ランニングの目標に合わせた治療・運動プログラムを提案しています。
「また痛くなったらどうしよう」と心配しながら走るのではなく、身体の動きを見直して、より効率的なランニングを目指しましょう。
ニューヨークでランニングによる膝の痛みやスポーツ障害にお悩みの方は、FuncPhysio Physical Therapyまでお気軽にご相談ください。