Integrating Japanese Eastern medicine with Western medicine.

「体幹トレーニング」と聞いて、一番最初に何が思い浮かびますか?お腹のシックスパックを想像する人もいれば、バランスや安定性、または全く動じない体、と表現する人もいるでしょう。しかし、これらのイメージは体幹筋の働きをうまく説明しているとは言えません。

「体幹」という言葉は、ここ数十年で広く使われるようになりましたが、人によってその解釈はさまざまです。本当に体幹を理解するためには、その構造、役割、そして目的を深掘りする必要があります。

体幹の筋力 vs. 機能的な体幹コントロール

FuncPhysio Physical Therapyでは、単なるV字腹筋等の体幹の筋力強化にとどまらず、「機能的な体幹コントロール」に重点を置いています。このアプローチは、日常生活や運動時に体幹をスムーズかつ適切にコントロールできる能力を重視しています。真の体幹の役割とは、柔軟性と安定性が調和した状態を作ることです。

筋線維の種類と体幹の役割

体幹を構成する筋肉には、次の2種類の筋線維があります:

  • トニック線維:姿勢を保つための深層筋が主に含まれ、安定性を維持する役割を担います。
  • フェイジック線維:動的な動作に必要な力を生み出し、高強度の動きで活躍します。

多くの人が腹筋運動やV字腹筋などのエクササイズで効率的に体幹を鍛えられると考えていますが、これらの運動は筋肉の過度な緊張を促進することにつながり、「力みによるクセ」を助長してしまい、腰痛の原因になることがあります。

機能的な体幹コントロールを鍛える簡単なエクササイズ

以下のようなエクササイズは、体幹の機能的コントロールを鍛えるのに効果的です:

  1. 仰向けになり、股関節を曲げ、膝を立て、足首を背屈(つま先を上げる)させます。
  2. 両手を膝の上(太ももの上部)に置きます。
  3. 顎を引き、頭を少し持ち上げます。
  4. ゆっくりと、手で膝を押すように力を入れ、同時に膝でも手を押し返します。この動作を非常にゆっくり行うことで、トニック線維や股関節・肩の屈筋を活性化できます。手で膝を押し下げるのではなく、上方向へ押すのがポイントです。
  5. 運動中は息を止めず、リラックスして行いましょう。

このゆっくりとした動きにより、トニック線維を効果的に活性化でき、フェイジック線維が対応できない持続的な負荷を与えることができます。体幹の機能が向上することで、手足の動きがより効率的にサポートされるようになります。

FuncPhysio Physical Therapyにおける体幹トレーニングのアプローチ

当院では、以下のような手法を用いて体幹機能を高めています:

  • 機能的手技療法:筋肉の協調性や動作パターンを改善するハンズオンテクニック。
  • PRI(ポスチュラル・リストレーション研究所)のエクササイズ:正しい呼吸と姿勢を整えるために特化した運動。
  • 痛みの管理教育:体幹や関連部位への負担を減らし、より”痛み”を理解した効率的な動き方を指導。
  • 筋膜テクニック:体幹コントロールの改善を目指し、感覚フィードバックを活用するアプローチ。

体幹の機能は、足元から頭までの力を効率的に伝えるために非常に重要です。この力の連動が、日常生活やスポーツにおける滑らかな動きを実現します。

柔軟性と安定性のバランス

体幹は、柔軟性と安定性の両方を備えていなければいけません。体幹を「締める」ことや「強化」することだけを目指すと、このバランスが崩れ、可動性が制限され、怪我のリスクが高まります。機能的な体幹コントロールを優先することで、次のようなメリットが得られます:

  • 姿勢の改善とアライメントの整備
  • 動作効率の向上
  • 怪我の予防

結論

体幹トレーニングは、硬い体幹やシックスパックを目指すものではありません。自然な動きをサポートする、機能的でバランスの取れた体幹を育むことが目的です。FuncPhysio Physical Therapyでは、個々のニーズに応じたアプローチと教育を通じて、自由で痛みのない動きを実現するお手伝いをしています。体幹は単なる体の中心ではなく、動作の土台であることを忘れないでください。